最近のドラゴンズに思うこと ~高橋周平を救いたい~
だいぶ前にドラゴンズ記事書いたなー
あの時は福田がんばれって書いたけど、これは今も同感。
そういうチームじゃねぇぞ、ドラゴンズさんよ
交流戦好調のドラゴンズだけど、まぁまだ後半は残ってるし今日も負けたし、こっからスコ負けして交流戦5割切るってことも全然ありうると思う。
なぜかというと去年の終わりと一緒で、今のドラゴンズは勝ちパターンがひとつしかないから。
今のドラゴンズの勝ちパターンは、先発ピッチャーが頑張って、そのまま僅差で競り勝つ。
これしかない。
去年勝ちだして一時期2位まで浮上したのも、大野雄大を筆頭に、2番手福谷など先発ピッチャーが安定して、彼らに勝ちがつきだしたからだ。
交流戦もそう。
昨日も追いつかれたとはいえ先発ピッチャーががんばり抑えている。
救援陣は毎年勝ちパターンが変わるが、代わって出てくるピッチャーがことごとく良い。
基本的に「競り勝つ」という方向性においてドラゴンズは正しい。
旧ナゴヤドームが完成して以来、星野時代から脈々とドラゴンズは投手力で競り勝つ野球をして、それをせずに勝った年はないと言っていい。
(2006年あたりは打撃も良かったが、投手力もトップクラスだった。打撃「のみ」で勝ててた年はない)
だからこそ、今年の打撃は「そうじゃない」感がすごく高い。
ノーアウト1塁でも2塁でも、基本はヒッティング。
ランナーが3塁に進んだと思ったら2アウトで、得点できない。
そんな場面が多い。
いや、そういうチームじゃねぇぞ。ドラゴンズ。
ノーヒットで1点取って勝つのがドラゴンズ
優勝した年のドラゴンズは、必ずといっていいほど「ノーヒットで点を取って完封した試合」がある。(9回ノーヒットって意味じゃなく、ヒットは出たが得点に絡んでなく、得点はあったがヒットが絡んでないゲームのこと)
99年もあったし、あんまり覚えてないけど04年とか11年もあったんじゃないかな。
四球でランナーが出て、盗塁・バント、エラー、内野ゴロ、そういう地味で全くキレイじゃない野球をして勝ってきた。
そういうチームなんだよね。
交流戦は勝ててるけど、理由はたまたま先発ピッチャーが調子よく投げれてるからでしかなく、打線は正直、形になってすらいない。
打線が繋がらない原因は明らかで、「普通の野球をしようとしている」からだ。
ドラゴンズは役者のいるチームではない。
"主砲"のビシエドですら、ウッズやブランコのようなタイプとは違う巧打者タイプだ。
そんなチームが「普通の野球」をして勝てるか?
勝てるわけがない。
なぜドラゴンズが勝てないかは、普通の野球をやろうとしているから。
この一言に尽きる。
最近は打ててないけど髙橋周平もいい打者だ。福田には変わらず期待をしている。
でもふたりとも役者じゃない。残念だけど。
根尾くんは将来役者になれると思う。でも今じゃない。
普通の野球をしてる限り、このチームは勝てない。
黄金期の不動の1・2番で伝説みたいになってるアライバだって、実はふたりとも3割を越えてたシーズンはほとんどない。
だけど、「出塁したらめんどくさい」というイメージで、アライバはものすごく点を取ってたという感覚が今になっても残っている。
現状のメンバーでも、アライバ時代くらい点を取ること自体は十分に可能だと思う。
意地汚く点を取れ
今年のドラゴンズは打てないのもそうだが、内野ゴロで点を取っていないイメージがある。
巨人OBの桑田真澄さんが以前テレビで「何が何でもセカンドゴロ・何が何でもサードゴロ、そういう打撃がピッチャーには必要」と話していたが、打者にその意識が低い。
アウトになりたくないという意識はバッティングから強く伝わってくるが、どうアウトになるかという意識を感じない。
打てなくていいから、どうやって点を取るのか考えなくてはいけない。
与田監督は「打てるように練習を」とよく言うが、それは違う。
このチームは打てないんだ。
誰が悪いのかは知らない。正直2006年以外のドラゴンズはずっと打てないイメージしかないから、脈々と打てない血が受け継がれているんだと思う。
だから、打てないまま点を取るしかない。
実際、今のドラゴンズは黄金期に近い戦力があると思う。
特に投手力は、中継ぎの役者こそいないが(祖父江がそれっぽかったが、今年はまだ覚醒してるって感じじゃない)総合力では浅尾・岩瀬の時代より上だと思う。
ダイフク又吉はそこまで圧倒的じゃないが、橋本・藤嶋などの裏の投手をうまく使って疲労が溜まらないようにすれば、浅尾・岩瀬時代よりも140試合通じて見ると中継ぎ防御力がいい、という状態にできるはずだ。
だから、打線が「打てる」必要はない。
点が入りさえすればいい。
そういう発想を、選手や首脳陣は持ってほしい。
阿部が内野ゴロばっかり打つとネット界隈で言われているが、だったら内野ゴロを打てばいいポジションにしてやればいい。
そもそも、阿部にせよ2軍落ちした京田にせよ、彼らは守備の人だ。
阿部・京田が打てないというのは、かつての英智に「打てない」というくらい的外れだと思う。
最近あたりのない髙橋周平にせよ、出塁率が高い・打率そこそこ・足はないが走塁は抜群にいい、と、どう考えても1番か2番に置くべき打者性質をしている。
4番ビシエドにこだわるのもいいが、現状3番を打てる打者がいない。
(福留が現状いいが、1年通して打ち続けるのはムリだ)
だったらビシエドは3番で使えばいい。
ビシエドの後ろは、ビシエドが歩かされないことが1番大事だ。だから現状ビシエドの次に打てている木下。
要するに、「この打者はこういう活躍をしてほしい」という願望で打順を組むから打てない。
そうじゃなく、現状選手ができることを集めて、それでどうやって点を取るかを考えた方がいい。
例えばこうだ。
1番:髙橋周
2番:大島
3番:ビシエド
4番:木下
5番:福留(調子によって入れ替え)
6番:誰でもいい(現状だと井領か福田か?)
7番:京田(別に三ツ俣でもいい)
8番:阿部(もちろん堂上でもいい)
9番:ピッチャー
大島に2番を打たせるといろいろ考えてしまって打てなくなる、という話をどこかで見たが、大島は技術とキャリア的に何番だろうが打てなきゃダメだろう。
出塁率のいい髙橋か大島に塁に出てもらって、ビシエドが歩かされないようにする。
木下→福留の打順も相性が良く、木下を歩かせると後ろの福留がめんどくさいから早めに勝負しようとなる。
木下は早打ちが得意だから相性のいい勝負ができる。
それ以外の場面でランナーが出たら全部バントだ。
6番以下は出塁したらバントと内野ゴロで得点圏までとりあえず進めばいい。
そのうちどれか1本がヒットに化けたら点が入る。
とりあえず無死だろうが2死だろうがランナーを得点圏に、3塁に進める。
たまにしか点はとれないがたまには取れる。
そういう汚くてかっこ悪い、でもピッチャーが3点以内に抑えてくれたら6割くらいは勝てる、
そういう野球をするのがドラゴンズだ。
今のドラゴンズはピッチャーが2点以内に抑えて勝てるかどうか。
そんなチームで優勝するにはダルビッシュと浅尾が6人ずつに、岩瀬も3人くらい必要になる。
まぁそんなわけで、とにかく今のドラゴンズの試合は見てて面白くない。
点が取れないからじゃなく、点が取れなくて当たり前のことをしてるからつまらない。
選手の適性に合わない打順を固定し、予定調和の交換レギュラー。結果を出しても出さなくても、翌日以降の試合に影響はない。
それでは選手は伸びない。
「してほしい」意識で凝り固まった野球をしている与田監督を見ると、邪推だが選手とのコミュニケーションがちゃんと取れていないんじゃないかという気がする。特に打者について顕著だ。
特に最も適正と求められている役割の差異が大きい髙橋周平は、監督と腹を割って話せていないと思う。
もし与田監督が打者とコミュニケーションが取れないなら、落合監督のように誰かに完全に任せた方がいい。
できないことに手を出さないのは、優秀な監督の絶対条件だ。
結局のところ今のドラゴンズが勝てないのは、打てないとか作戦が悪いとかじゃなく、選手とちゃんとコミュニケーションが取れてないがゆえに、適材適所の作戦運用ができていないからのように思える。
京田や阿部、あとまぁ最近は高橋もだけど、そういう打てない打者に対して、「打てなくていいからこういうことをしろ!」と言ってやる人が必要だ。
ちなみに京田や阿部を挙げているが、それができるなら別に三ツ俣だろうが堂上だろうが、石川だろうが根尾だろうが誰でもいい。
もうちょっと選手たちが自分の役割を持って、生き生きしてる姿を、我々ファンはみたいのである。